今和間田せぃが@バーチャルYouTuber official

バーチャルYouTuber「今和間田せぃが」のofficialページです。

僕のVRC体験記: 「つまんない」の壁を乗り越えて、その先の「楽しさ」へ辿りつくまで

先日、VRChatに遊びにいきました。そのことを書いてみたいと思います。

これは、twitterよりも動画よりも、多分ブログが適当でしょう。同じように困っているかた、つまずきを経験されたかた、興味を持っているかたに届くといいなと思います。

一度行ったことあったけど、面白さがわからなかった

実はせぃが君がVRChatに遊びにいくのは、これが初めてではありません。

1月のたしか4日のことです。まだYouTubeデビュー前のせぃが君は、YouTubeチャンネルを開くよりもまず先に、デフォルトの骸骨アバターとデスクトップモードでVRChat世界にアクセスしていたのです。

ミライアカリちゃんのVRCムーブ

当時、僕がVRChatに興味を持ったのは、ミライアカリちゃんがVRChatの宣伝をしていたからでした。

今VTuber界隈でVRChat広報筆頭といえば、のじゃおじさんだと思いますが、1/4当時、自分の観測範囲でVRChatムーブが強いのはアカリちゃんの方でした。ミライアカリちゃんがVRChat関連の動画をいくつかあげ、VRChatの存在を喧伝していたからです。

早々に撤退

ただ、残念ながら当時のVRChat体験は、そこまで楽しいものではありませんでした。

チュートリアルはすんなり突破しましたが(デフォルトアバター・デスクトップモードなのだから当たり前です)、いったいどこが楽しいかわからず早々にやめてしまいました。

再挑戦してみて~つまんなみと恥ずかしみに堪える最初の試練再び~

この「楽しさわからない問題」は昨日インした当初も強く感じました。

VRChatって、最初いったい何が楽しいのかよくわかんないんです。

Maxプレイヤー1名のHelpワールドでリスニングできないビデオを眺めるだけ。あるいは、一人The Hubで知り合いもおらず、周囲は外国人プレイヤーばかり。セッティングしたマイクで「どうすればいいんだろう…」とつぶやくも、むなしいばかりでした。

この状況は、たとえるなら、一人きりのテキストチャットルームで、延々連投するようなものです。やったことがあるかたならおわかりだと思いますが、これはめっちゃむなしく、さびしい行為です。むなしくて、さびしくて、ちょっと恥ずかしいです。やばみ高い。

多分、最大のハードル

VRChatハードル高いなと自分が感じるのは、ここでした。

一人きりのチャットはつまんないのです。つまんなくて、恥ずかしいのです。数々の難関を乗り越えて、勇気を振り絞って彼の地に降り立つと、圧倒的なつまんなみと同時にちょっと恥ずかしみが襲う。これを耐え忍び、先に進むには結構な鋼のハートがいります。

あらかじめある程度覚悟してきましたが、それでもだいぶきつかったです。

Japan townに移動して、ちょっと風向きが変わる

風向きがちょっと変わったのは、Japan townに移動してからでした。

Japan townは日本の都市を模して造られたワールドです。

聴こえてきたジャマイカの風

相変わらず知り合いもいない一人きりで、四車線を逆走しながらうろうろしていたら、軽快なジャマイカ音楽が聞こえてきました。誰かがレゲエサウンドを流しているようでした。脳裏に、ラジカセを囲んでセッションするオーバーサイズなヒューマンたちの幻影が脳裏に浮かびました。その時、僕は音に飢えていたので、すがるように海岸線に沿って音のする方に向かいました。

結論からいうと、そこにオーバーサイズのヒューマンたちはいませんでした。あったのは、空に浮かぶ巨大広告映像だけでした。僕が聴いた音楽は、この広告映像のBGMだったのです。

だいぶしょんぼりして、泣きそうになりました。

泣きそうになりながら、広告映像に合わせてしばらく一人でヒューマンビートしていました(せぃが君は、一応音勢HipHop専科なので、ちょっとだけヒューマンビートができるのです)。「いつだって音楽は僕を助けてくれる」一生に一度は言ってみたい台詞です。言いませんでしたが。ちょっと気持ちが回復しました。

「つまんない」はプレイヤーのSOS。多分彼らも楽しさを感じたい

この時まで、僕がどれだけVRCをログアウトして「結論: VRCつまんなかった」とtwitterに呟きたくなったことか。でも、もうちょっとがんばってみようと思いました。

というのは、僕は楽しそうにVRCをプレイするフィオちゃんや白二郎ちゃんたちの存在を知っていったからです。みんなが嘘をついているはずがありません。それは、もう明らかに明らかすぎることです。

つまり、VRCは「楽しい」のです。

まだそれがわかってないだけです。だけのはずなのです。

しばしば僕らが忘れる大切な事実ですが、プレイヤーが漏らす「つまんない」は、大抵の場合、非難ではなく切実なSOSです。面白いはずなのに、面白くない。面白さまでたどりつかない。それは、つらいことです。つらいし、むなしいし、さびしいことです。少なくとも、この時の僕はそうでした。切実な、切実なSOSでした。でも、twitterでそれを呟くと傷つく人がいるのもわかっていたので、一人で耐えていました。

だんだんうまくいく

困ってる日本人プレイヤーをとりあえず助けるマン

幸いなことに、自分の場合は、そこからだんだんうまくいきました。

Japan town中央部に戻ると、困っている日本人プレイヤーを見つけました。他に日本人がいないので、マイクが疎通しているのか否か、そういう根本的なところから検証できなくて、戸惑っていました。

なので、彼に声をかけ、彼の音声テストを手伝いました。

母語が通じる相手を見つけた時の安心感は、はんぱないです。一緒に、この世界に感じる不安について喋りました。

海外歌姫とセッションするマン

歌を歌っている外国人プレイヤーを見つけました。

聴いていたらむずむずしてきました。広告映像相手のヒューマンビートで、体もあったまっていたんだと思います。

僕は彼女の横に並んでヒューマンビートでセッションを始めました。

そうしたら、僕のまわりにもだんだん人が集まってくれるようになりました。

忘れていたのですが、音楽に国境はないのです。無人島で、ポケットに懐中電灯があることを思い出した気分でした。この頃になると、「このサバイバル、生き残る方法見えてきたかもしれん…!」と思えるようになってきていました。

やっと皆に合流できたマン

ただ、僕のVRC体験サバイバル編は、そこで唐突に終わります。twitterで僕のつぶやきを見つけてくれて伊雪ちゃんが僕のことを拾ってくれたからです。そして、他の知り合いがいるワールドへと案内してくれました。

救済されてから辿りついた世界は、めまぐるしいばかり。

僕が高い高いVRCのハードルを飛び越えた瞬間でした。それも、ものすごくあっけなく。

教訓というか、今回のオチ

というわけで、せぃが君のVRC体験記でした。

以上の経験を踏まえて僕が言えるのは次のようなことです。

  • 最初VRCは死ぬほどつまんなく感じる(かもしれない)。何故なら一人きりのチャットルームで呟くようなものだから。つまんなくて恥ずかしくてハードルが高い。でも、えてしてチャットツールの面白さはその先にある。
  • 楽しさに辿りつくには経験者である水先案内人の存在が不可欠。つまり、.hackのオルカ。いないなら、せめて同じ初心者で示し合わせてインすると吉。母語話者が二人以上いれば、とりあえず不安は軽減される。逆にいえば、多分これだけで惨劇は回避されます。
  • それも無理なら、音楽がオススメ。音楽は世界共通の強い武器。自分の場合、たまたまヒューマンビートがちょっとだけできたからスムーズだったけど、多分なんとなく鼻歌歌うだけでも結構効果はあると思われます。Japanワールドに集まる外国人は、日本が好きな人が多く日本語がカタコトでできるかたも多い印象だったので、結構アニソン歌唱とか、需要があるかもしれません。
  • あと、とりあえず行くワールドにツテがないのであれば、ワールドを「Japan」で検索して、日本系ワールドをうろうろするのがよさそう。日本人遭遇率、日本と親和性のある海外プレイヤーと会える率が増します。

僕の場合は、最終的におともだちが助けにきてくれたので、事なきを得ましたが、「これは2017年台、VRChatの日本コミュニティをはぐくんできたプレイヤーは、どれだけ大変だったことだろう…」と、当時の開拓者のかたがたに対して、厚いリスペクトを禁じえません。また、その大変さがわかるから、助け合いの精神が根付いているのかなーとも思いました。

今和間田せぃがでした。